
大手メーカーB社様の海外向け製品マニュアル制作にあたり、「従来の人手翻訳を、AI翻訳に変更してはどうか」というご提案をして、ご採用いただきました。
コンテンツ
お客様の課題
世界的な物価高、円安による影響などの外的要因により、海外翻訳者への依存度が高い翻訳費用がアップする懸念が生じていました。
ご提案と対応
昨今の急激なAIの進化で、AI翻訳の精度が飛躍的に向上している状況を踏まえ、人手翻訳からAI翻訳への転換を図るご提案を行い、ご採用いただきました。
翻訳支援ツールとAI翻訳エンジンの選定
従来から使用していた翻訳支援ツールTRADOSが、プラグインでAI翻訳に対応したため、TRADOSによるAI翻訳フローをご提案しました。発売前の新製品に関する機密情報を取り扱うため、翻訳テキストが学習データとして蓄積されず、処理後に削除されるDeepL ProをメインのAI翻訳エンジンとして採用しました。
翻訳支援ツールとAI翻訳エンジンの選定
従来から使用していた翻訳支援ツールTRADOSが、プラグインでAI翻訳に対応したため、TRADOSによるAI翻訳フローをご提案しました。発売前の新製品に関する機密情報を取り扱うため、翻訳テキストが学習データとして蓄積されず、処理後に削除されるDeepL ProをメインのAI翻訳エンジンとして採用しました。
AI翻訳対象外の箇所
誤りがあるとクリティカルな問題となる「法規制文言」、「注意文言」は、AI翻訳の対象外としました。
翻訳スケジュールの短縮
AI翻訳は短時間で元言語からの翻訳が可能なため、翻訳スケジュールの短縮を実現しました。従来の人手翻訳による日程と較べ、30%程度の日程短縮となりました。
コスト削減
翻訳単価のコスト削減はもちろん、翻訳後の確認作業などを含めた翻訳作業全体のコストも削減されました。
AI翻訳の品質確保
以下のような仕組みを用いることで、AI翻訳によるコスト削減と品質確保を両立しました。
- 翻訳メモリ(Translation Memory)
過去訳を再利用できる仕組みとして、従来の翻訳でも活用されていた翻訳メモリをAI翻訳でも使用することとしました。これにより、全く変更がない箇所がAI翻訳で勝手に変更されてしまうことを防ぐとともに、変更のない箇所は自動でロックされて翻訳対象外となるため、翻訳対象のテキストが減り、コスト削減にも結び付きました。 - 用語集
事前にDeepL Pro向けの用語集を用意し、専門用語の統一と誤訳防止を行いました。これにより、決まった専門用語で統一したい箇所が、AI翻訳で勝手に別の用語に変更されてしまうことを防ぎ、お客様が必要とする品質を確保しました。 - QA機能によるチェック
<訳抜け、タグ不整合、記号不整合、数値不整合、用語不使用、文章構造の不整合>のチェックは、従来通り、TRADOSのQA機能によるチェックを実施しました。これにより、従来と同等の品質を確実に確保しました - AI評価によるチェック
AI翻訳の結果を、別のAIを使用して評価することで、訳者による確認(ポストエディット)の負荷を軽減しました。評価は、<類似度、意味の正確性、文体の自然さ、専門用語の扱い、文化的配慮、言語固有表現>の6つの項目を設け実施しました。 - 訳者による確認(ポストエディット)
AIの評価が低いものは、訳者による確認(ポストエディット)を行いました。<重大な誤訳や脱落、文法/構文の誤り、意味の不正確な伝達がないか>という観点で確認(ポストエディット)を行い、確認後の修正は必要最小限の範囲にとどめました。
成果
AI翻訳の導入によりコスト削減と翻訳スケジュールの短縮が実現でき、お客様からは「今後も期待している」とのお声をいただきました。
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