FAQサイトとは、トラブルを抱えたユーザーからの「よくある質問、Frequently Asked Questions」まとめたものです。家電製品などの取扱説明書の巻末などにも記載されていますが、現在ではモバイル普及によりインターネットで調べるユーザーが多い為、常に最新の情報を提供できるFAQサイトの採用が増えています。
今回は、FAQサイトのレイアウトをどのように工夫すればユーザーに「分かりやすい」と感じていただけるかを、7つのポイントに分けて解説します。

ユーザーが「分かりやすい」と感じるFAQサイトとは

まず初めに認識しなければならないことは、FAQサイトを訪れるユーザーは既に「イライラしている」という点です。
FAQサイトはハードウェアやソフトウェアなどがユーザーの思い通りに動かなかったときに頼るものですから、ユーザーは既に不快な思いをしており、したがって過度な忍耐力を期待することはできないものと考えましょう。
つまり、最速・最短距離でユーザーの求める情報を提供できたとしても、100点満点を取ることは至難の業なのです。そのことを十分に認識した上で、可能な限り「分かりやすい」と感じていただけるサイトを目指すことで、ユーザーの疑問解消に導きましょう。

分かりやすいFAQサイトを作る7つのポイント

もともとFAQはマニュアル(取扱説明書)の一部ですから、技術文書を記載する際のノウハウを集約した「テクニカルライティング」の技法を活用することが有効です。
テクニカルライティングでは、文書の記述方法を大きく「チュートリアル型」と「リファレンス型」に分類しています。
「チュートリアル型」は、必要な操作を順番に記述する方式です。スマートフォンやパソコン、Wi-Fiモデムなどで、「はじめにお読みください」などのタイトルのついた1枚紙のマニュアルを見かけたことはないでしょうか? あれが「チュートリアル型」取説の代表例です。すべての操作は説明せず、とりあえず製品を使うまでの最低限の操作を説明しています。
対して「リファレンス型」は、機能を分かりやすい順番に並べる方式で、「辞書型」とも呼ばれます。チュートリアル型が手順を重要視するのに対し、リファレンス型では検索性を重要視します。TVやスマートフォンの取扱説明書の後半では、設定項目が実機と同じ順番に記載されていることが多いと思います。例えば表示設定が音声設定の前に記述されていたとしても、「表示設定をしてから音声設定をせよ」という意図はなく、単に「実機と同じ順番で記載してあればユーザーは求める情報を見つけやすいであろう」という意図で記載順が決定されています。
では、それぞれ方式でFAQを記述してみましょう。


<チュートリアル型>

  1. 電源コードがきちんと接続されているか確認する
    接続時には本体左側の「POWER」LEDが点灯します。
  2. 電源がオンになっているか確認する
    電源オン時には電源ボタンが緑色に点灯します。

<リファレンス型>
電源が入らない→電源ボタンを押してください。
画面が映らない→HDMIケーブルの接続を確認してください。
音声が聞こえない→音声ケーブルの接続を確認してください。


チュートリアル型は順を追ってチェックすれば確実にトラブルを解決できそうですが、時間がかかりそうです。ユーザーがイライラしていることを考えると、FAQサイトにはリファレンス型がふさわしいと言えそうです。とは言え、製品の取扱説明書などをご覧になれば分かるように、「チュートリアル型」と「リファレンス型」はどちらかひとつを選ばなければいけない、というものではありません。目的に応じて使い分けたり、2つを混合したりして「分かりやすいFAQサイト」を目指しましょう。
主な記載方法をリファレンス型に決定したら、次に検索性を最大限まで向上するレイアウトについて検討しましょう。

①閲覧数が多い疑問をページ上部に掲載

閲覧数が多い疑問をページ上部に記載しておけば、多くのユーザーが解決策を素早く見つけることができます。ただし、一度に沢山の情報を掲載して良い訳ではありません。掲載する疑問の数については、世間一般で「パッ」と見て認識できると言われている「7項目以内」に収めるべきでしょう。

②目的別にカテゴライズ

テクニカルライティングの記載順の基本のひとつに「大きなものから小さなものへ」があります。目的別に大項目、中項目、小項目に整理して記載すれば、ユーザーは全体像を把握しやすく、目的の解決策に素早くアクセスすることができます。

③アコーディオンを活用

目的別にカテゴライズした場合、ユーザーはまず「自分の求める解決策がどの大項目に含まれるか」を確認するため、大項目のすべてに目を通す可能性が高いと考えられます。アコーディオンを活用して全体を素早く把握できるよう工夫しましょう。

④チャットボットを活用

イライラしている時に「まずはこれを読んで」と言われたら「いや、まず人の話を聞け」と考えるのが人の心理です。但し、お問い合わせ窓口に電話すると、限られた人数構成での運営のため、待ち時間が発生します。チャットボットは、24時間対応及び待ち時間をゼロにすることができる為、ユーザーのストレス軽減にもつながります。また、FAQサイトとの親和性も高く、ユーザーの疑問に対して、いくつかの選択肢を与え、解決に向け誘導することができるため、有効と言えるでしょう。

⑤検索機能を目立つ場所に配置

前述のとおり、リファレンス型でもっとも重要な要素は「検索性」です。その根本を支える検索機能は、極力目立つ場所に配置するべきです。また、「例」としてよく検索されるワードを添えて提示すれば、より検索性を高めることができるでしょう。

⑥お問い合わせを目立つ場所に配置

FAQでトラブルを解決できなかった場合、次の段階としてメールや電話での問い合わせを検討します。ユーザーにとって何が一番良い方法かを考え、お問い合わせ先を必ず目立つ場所に配置しましょう。

⑦定期的に更新する

ユーザーの製品に対する習熟度、製品に対する知識や、利用方法は日々変化します。それに伴い、お問い合わせの内容も変化していきます。最新のお問い合わせが多い情報を盛り込む、掲載内容を見直す、閲覧数により記載順を入れ替えるなどの改善を重ねていくことで良いFAQサイトに近づけることができます。

FAQサイトの役割とは

そもそも、FAQサイトを構築・運営する意義は何でしょうか。
まずはユーザーがトラブルに陥った際にも、素早く解決策を提示することにより、製品自体、ひいてはブランド・企業に対するイメージを毀損させないという役割があります。
また、メールや電話での問い合わせ・クレームを減少させることにより、お客様対応窓口の負担を軽減するという役割も担います。
ユーザーの勘違いや誤解もありますから、すべてのトラブルに対して完全に対応するFAQサイトを構築することは理論的にも不可能です。より少ない項目で、より多くのユーザーのイライラを最短で鎮め、お問い合わせ件数を減少させられるような、効率的で分かりやすいFAQサイトの構築を目指すことが現実的と言えるでしょう。

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モダンは創業より40年以上にわたって、取扱説明書の制作や印刷などのサービスをお客様に提供してまいりました。

今回は分かりやすいFAQサイトを作るために必要な7つのポイントについて解説しました。本コラムが御社FAQサイトのブラッシュアップに役立ちましたら幸いです。また、弊社には多数の新規FAQサイト立ち上げに関わり、FAQサイトの構築・運営手法に精通したスタッフが多数在籍しております。もしFAQサイトに関してお困りな点がございましたら、どうぞご遠慮なくモダンまでお声がけください。