マニュアルのトレンド

マニュアルの作成方法も媒体も変化

マニュアル制作のツールは、時代と共に変化してきました。20年以上遡れば写植機で制作していたものが、コンピュータ上でのDTPに置き換わり、DTPソフトもPageMakerやQuarkXPressからInDesignへと主流は変わってきました。

しかし、これらはすべて紙マニュアルの話です。ここ数年のトレンドを見ると、インターネットの普及や印刷コスト抑制などの観点から紙からWeb(HTML)マニュアルに移行しつつあります。

しかし紙のマニュアルがすべて Web(HTML)マニュアルになったわけではありません。どうしても紙媒体として必要なもの、例えば開梱直後の設置マニュアルや、お客様の安全に直結する内容は紙マニュアルとし、それ以外をWeb(HTML)マニュアルにするなど、媒体の特徴にあわせて使い分けるケースが増えてきています。

HTMLとは

HTMLとはHyper Text Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)の略で、文書の構造をコンピュータに認識させるためのマークアップ(タグ付け)言語です。

HTMLには、タイトル、文章、画像、動画などを埋め込むハイパーテキストの機能があり、タグと呼ばれる< >記号を用いて、見出し、本文、画像などの文章構造を定義します。
Googleなどの検索エンジンは、HTMLの文書定義を読み取ることでWebサイトの内容を判断し、検索結果としてアウトプットする仕組みです。
それでは以下に、タグの使い方を簡単に紹介いたします。

<h1>江戸の成り立ち</h1>

<P>本格的に江戸の開発が始まったのは、徳川家康が関東に封じられてからである。</p>

コンピュータはこの記述から「江戸の成り立ち」は見出しとして、また「本格的に江戸の開発が始まったのは、徳川家康が関東に封じられてからである。」は本文として認識します。その結果、Webページではこのように表示されます。

HTMLのタグには、見出しや本文だけでなく、画像や表組み、他の文書へのリンクなど、100種類以上のタグがあります

紙とWebのメリット/デメリット

紙マニュアルとWeb(HTML)マニュアルを比較して、そのメリットとデメリットを簡単に解説します。

メリットデメリット
紙マニュアル・インターネット環境やデバイス
 がなくとも、手元において参照できる
・マニュアル全体のボリュームを
 把握することが容易
・DTPソフトなどを使用して制作
 できるので、複雑なレイアウトが可能
・ページ数が多いと検索が大変
・経年によって紙が劣化する
・印刷コストが発生する
・商品への同梱作業が発生する
・改訂版をお客様に届けるには
 輸送コストが発生する
Web(HTML)
マニュアル
・データの更新や配信がタイムリー
 にできる
・印刷コストがかからない
・検索性がよい
・動画やアニメーションを入れること
 ができる
・スマホやタブレットを使って閲覧できる
・紙と違って物理的に劣化しない
・複雑なレイアウトはできない
 場合がある
・マニュアル全体のボリューム
 を把握するのが難しい
・閲覧にはインターネット接続と
 デバイスが必要

Web(HTML)マニュアルの制作方法

Web(HTML)マニュアルを制作するには、いろいろな手段があります。専用のHTMLエディターを使用するだけでなく、InDesignやFrameMakerなどのDTPデータや、MS WordやPowerPointといったオフィス系のデータをもとにHTMLの知識を有する担当者や制作会社などへ依頼し、制作することも可能です。

また作られたWeb(HTML)マニュアルは、PCやタブレット、スマホといった異なるデバイスからでも、それぞれ異なった画面サイズで閲覧することができなくてはなりません。もちろんそれぞれのHTMLファイルを用意すればよいのですが、それでは手間がかかるうえに、情報の整合が取れなくなることも考えられます。解決策としてデバイスの画面幅に合わせてレイアウトを使い分ける「レスポンシブ ウェブデザイン」をはじめから実装する方法もあります。また、複数のデバイスに対応したWebサイトを簡単に構築することを目的として、最近はCMSを使ったWeb制作が主流となってきています。

レスポンシブ ウェブデザインとは

ユーザーが使用しているデバイスの種類(パソコン、タブレット、スマートフォンなど)に関係なく、同じ情報をデバイスに応じて最適に表示させるウェブデザインの手法です。この場合、URLとHTMLは同じですが、スタイルシート的な役割を持つCSSをデバイスに応じて変更します。

Web CMSとは

CMSとは、Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の略称で、Web制作に必要な専門知識がなくても、Webサイトやそこに掲載するコンテンツを構築・管理・更新できるシステムのことをいいます。

レイアウトなどを決めたテンプレートを用意し、マニュアルに必要なテキストやグラフィック(イラスト、写真、動画など)を、情報としてCMSに登録していくことでWeb(HTML)マニュアルが完成します。よほど凝ったページや複雑なページでなければ、更新作業などを外部の制作会社へ依頼することは不要となりましたので、Web(HTML)マニュアルを制作する際の障壁も、年々低くなってきているといえるでしょう。

HTMLマニュアルはSEOに有効?

電化製品を外出先にて使用したときに使い方で困った場合や、マニュアルが手元になく、インターネットで問い合わせ先や、解決方法を検索することはないでしょうか?
弊社が取り扱うマニュアル制作については、これまでPDF形式でWebサイトへ掲載することが主流でしたが、モバイル端末の利用者が増えたこともあり、HTMLマニュアルを準備されるお客様が増えております。

マニュアルは、製品の特長、使い方、困ったときのトラブルシューティングなど情報量が多いものです。HTMLの形式にてWebサイトへ掲載することで、ユーザーがどの製品、マニュアルのどの部分を見ているかなどアクセス状況を把握することができるようになります。アクセス分析によって良い製品の開発、販売、アフターサービスなど多方面 で情報を活かすことができるようになります。

また、HTMLマニュアルは、下記の理由から、SEO対策に有効と⾔えます。

  • モバイル閲覧に最適
  • 検索キーワードから特定の情報に直接流⼊させることができる
  • Googleにタグ情報を使ってマニュアル情報を正しく伝達できる
  • 検索結果から直接アクセスできるという面から、検索ユーザーにとっても利便性のよい形式である
  • 最新情報をタイムリーに発信できる

このように、マニュアルをHTML化してWebに掲載することにより、得られるメリットはたくさんあります。ぜひHTMLマニュアルの導入をご検討ください。

質の高い制作会社をお探しの際は、モダンにご相談ください。

モダンは創業より40年以上にわたって、取扱説明書の制作や印刷などのサービスをお客様に提供してまいりました。
従来どおりの紙マニュアル制作はもちろんのこと、インターネット検索からの流入を高めたい、効率的な制作方法を検討したいなど、マニュアル制作のことなら、どうぞご遠慮なくモダンまでお声がけください。

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