撮影の現場(特に動画撮影)では、普段聞きなれない業界用語が飛び交います。たとえば撮影中に、カメラマンからアシスタントに向かって「八百屋にして!」と指示が飛ぶことがありますが、何のことかわかりますか?
「八百屋にする」とは動画の撮影現場で使われる用語で、撮影する際に八百屋の台のように物を見やすく傾けることを指します。
「八百屋にする」の意味がわからないと、指示を受けてもポカーンとするばかりで仕事がスムーズに進みません。そこで主に動画撮影の現場で使われる業界用語を、以下にいくつか紹介します。
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業界用語の紹介
あおる | カメラを上方に向けること。 |
後(あと)ピン | 被写体の後ろにピントがあっている状態。 |
ありもの | 新たに購入や手配をしないで、手近にあるものをつかうこと。 |
板(いた)付き | 被写体が画面に入っている状態から撮影すること。 |
位置決め | 物の位置や人物の立ち位置を決めること。 |
いってこい | 行ったことや動作などを元に戻すこと。 |
インサート | 編集で、連続しているカットの中に、別のカットを入れること。 |
イントレ | 舞台の建てこみなどで用いる、鉄パイプで簡単に組み立てられる足場のこと。 |
うるさい | 画面がごちゃごちゃしていること。 |
エレン | レフ板など、ちょっとした物を固定するときに使う万能クリップ。 |
押す | 予定の時間になっても作業が終わらないこと。 |
オンリー | 映像と音ではなく、どちらか一方だけを収録すること。 |
カチンコ | カットナンバー、テイク数などを書く板。編集作業でカットを探すときに使えるように、収録の最初に入れて撮影する。 |
かぶる | 映像や音に余計なものが入り込むこと。 |
カポック | レフ板のように、照明で光を反射させる発泡スチロールの板。 |
上手(かみて) | 客席や撮影する側から見て右側。 |
けつかっちん | タレントや撮影現場などを押さえている時間が決まっていること。 |
ケツボールド | カチンコを最初に入れ忘れたときなど、カットの最後に入れて対処すること。 |
けられ | レンズなどが原因で、画面の四隅が暗くなること。 |
香盤表(こうばんひょう) | カットナンバーや概要、撮影順序などの情報が書かれた一覧表。撮影現場では、これを元に撮影が進められる。 |
しずる | 料理や食材の画像が食欲をそそる様子。「しずる感がある」などと使う。 |
下手(しもて) | 客席や撮影する側から見て左側。 |
てっぺん | 深夜12時のこと。12時を過ぎると「てっぺんを回る」という。 |
時計 | 時計回りに少し回転させること。 |
長玉(ながだま) | 望遠レンズのこと。 |
はける | 被写体が動いてフレームから外れること。 |
箱馬(はこうま) | 現場で使われる木製の箱。物を置く台にしたり、椅子の代わりに使われたりと、様々な用途がある。 |
バストショット | 人物の胸から頭が写るサイズのこと。 |
ばみる | 出演者や物の位置の目印として、ガムテープなどで床に目印を付けること。 |
ハレーション | 光がかぶって白飛びした状態。 |
反時計 | 反時計回りに少し回転させること。 |
フリッカー | 画面にちらつきが生じている状態。 |
フリーズ | 動画の中のひとコマから静止画を取り出して、画面が止まったように見せる手法。 |
ボード | カチンコの代用としてカットナンバーやテイク数を書くスケッチブックや小型の白板。 |
前のり | 撮影前日にロケ地に入って宿泊すること。 |
前ピン | 被写体の手前にピントがあっている状態。 |
巻く | 作業を予定より早めて進行すること。 |
見切れる | 本来映ってはならないものが、カメラのフレームの中に映りこむこと。 |
モアレ | 被写体の細かな縞模様に走査線が干渉して発生する、にじんだような模様のこと。 |
八百屋 | 物品を撮影する際、八百屋の台のように物を手前に見やすく傾けること。 |
寄る | 撮影対象に近づいて、アップで撮影すること。 |
ロケハン | 撮影前に現場を下見すること(ロケーションハンティングの略)。 |
MA | 映像にナレーションやBGMなどの音声素材を組み合わせる編集作業。 |
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