PoC(概念実証)とは?

PoCとはProof of Conceptの略で概念実証と呼ばれています。概念実証はアイデアや原理の実証であり、例えばシステム開発においては本格的な開発を行う前に小さなシステムを組んで検証を行います。

新しいアイデアはあるが、そのアイデアが実現可能かどうかはっきりしない状況で開発を行うことは失敗のリスクがあり、プロジェクトの開始が難しくなります。

一方で、そのアイデアが機能することを実証できれば開発のハードルは低くなります。このため、アイデアを実行する最小限のシステムを組み、実際に動作させて確認します。これがPoCです。意図する動作がを確認できれば、本格的な開発に取り掛かれます。このように事前にPoCを行うことで失敗のリスクを大きく低減することができます。

PoCは様々な業界で実施されており、例えば映画業界では新しい映像の試みなどを盛り込んだ短編作品を作り、視聴者の反応を見ることがあります。短編映画のPoCは、長編映画やシリーズ化する予定の作品の一部として、ストーリーやキャラクター、映像スタイル、演出手法などの要素を実際に映像化することで、制作チームや資金提供者にアイデアの魅力や実現可能性を説明する役割を果たします。

マニュアル制作におけるPoC(概念実証)

マニュアル制作現場においてもPoCは活用されています。特に昨今はマニュアルの制作手法が複雑化しており、処理する情報も多岐にわたりますので、制作会社だけでなくお客様の負荷も膨大になっています。このような負荷の低減を目的として、お客様ごとに利用するシステムやツールなどをカスタマイズする際にPoCが使われています。

PoC実施のステップ

PoCは手順を踏んで実施する必要があります。ここではPoCの手順を簡単にまとめます。

  • ステップ1 目的の設定と成功の定義

最初に行う必要があるステップは目的の設定です。PoCを通してアイデアが実現可能か検証するため、どのような結果になれば成功と言えるのかを明確にします。また、何をもって実証できたと言えるか、成功と失敗の定義も明確にしておく必要があります。

このステップが間違っていると、以降のステップが無意味になってしまうため、最も大事なステップと言えます。

  • ステップ2 検証範囲と検証のためのシステム構築

目的が設定できたら検証範囲を定めます。この範囲が広すぎるとPoCに時間と予算がかかってしまいますが、範囲を狭めてしまうと検証に不十分なシステムになってしまう恐れがあります。従って、実証に必要最小限の範囲を選択する必要があります。

範囲が定まったら、実際にシステムを構築します。ポイントはアイデアの実証にフォーカスした最小限のシステムを作ることです。

  • ステップ3 PoC実施

システムが完成したら、システムを稼働させ、PoCを行います。様々な試行を通して結果を収集し、アイデアが実現可能かどうかを判断します。大切なことは、考えられる全てのケースで検証を行い、不具合が出ないか確認することです。

  • ステップ4 検証結果の評価

PoCの結果が出揃ったら、ステップ1で定めた通り、実現可能性の評価を行います。成功の水準に達しているか、それとも失敗なのかを結果から判断します。

良い結果が得られた場合は、本格的な開発に向けた検討へ進むことになります。

逆に、良い結果が得られなかった場合は、失敗の要因を明確にし、システムを修正して再検証します。

以上が、大まかなPoC実施のステップです。

PoCのメリットとデメリット

PoCは新しいアイデアが実現可能かどうか事前に確認するため、開発失敗のリスクを低減できます。PoCに成功すると、開発可否の大きな判断材料となりますので、プロジェクトをスタートするための意思決定がしやすくなる点が大きなメリットと言えます。

さらに、事前のPoCを通して新しいシステムにどのような特徴があるか把握できますので、システム開発の見通しを立て、問題点などが事前に分かります。本格開発での予算規模を把握しやすくなると共に、より実現性の高い工程の見極めが可能になります。

一方で、PoCに時間と予算をかけすぎるとコスト増となってしまいます。PoCはできるだけ小さなシステムを作り実証することが理想ですので、コストと効果のバランスを取りながら、成果が最大値になるよう実施する必要があります。検証が成功しても、効果が少なければコストが損失になってしまいます。

また、検証回数の増加に伴い検証が複雑化することで、システムが肥大化する可能性があることもデメリットとして挙げられます。

これらのデメリットに陥らないよう事前に目的を明確化すると共に、システムの設計段階で実施内容をしっかりと確認しておく必要があります。

PoCを活用する上でのポイント

PoCは検証が失敗に終わるリスクがあります。このリスクを回避するためにはいくつかのポイントがあります。最も大事なポイントは実際に使用する環境でPoCを行うことです。

お客様の環境や使用方法はそれぞれ異なります。このため、PoCを実施する際にもお客様の環境に合わせて実施する必要があります。また、できる限り小規模なPoCシステムを構築することも大切なポイントです。

PoCシステムを小さくすることで、PDCAサイクルが回しやすくなります。リスクを最小限に抑えながら改善を加えることができ、本格開発に向けた精度の向上が見込めます。

PoCシステムが大規模になると、その分コストと時間がかかりますので、お客様への大きなリスクになってしまいます。お客様が許容できる範囲のシステムに抑えるため、事前の評価はしっかりと行います。

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モダンにおけるPoCの実績

これまでモダンでは、マニュアル制作に関連したCMSや専用ツールの開発でPoCを行って参りました。特に昨今はコールセンターの負担軽減のため、FAQサイトを構築する、チャットボットをWEBサイトへ実装する、およびグローバル対応に不可欠な多言語展開に機械翻訳の利用が増えております。また、各種システムやツールから得られた情報の集計や解析が実際に有効であるかどうかについて、PoCを通して実証してきました。

他にも、アンケートやコールセンターに寄せられた膨大なテキストや音声から、有用な情報だけを抽出する「簡易テキストマイニング」もPoCを通して実装可能になっています。テキストマイニングで得られた情報をワードクラウドで可視化する体験アプリもご用意しておりますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

モダンは創業より40年以上にわたって、取扱説明書の制作や印刷、動画制作、システム開発などのサービスをお客さまに提供してまいりました。

昨今は技術の進歩が早く、新技術をマニュアル制作工程に活かせるようになっていますが、新技術を制作工程に本格実装する前に、まずはPoCで検証することをお勧めしています。PoCを実施してからシステム開発を行うことで、リスクを抑えながら様々な機能を実装できます。現在の制作工程は一昔前のDTP工程と比べて格段に進化しておりますので、「こんなこともできるのか」と驚くお客様も多くおられます。

最新技術をマニュアルに取り入れたいとお考えの際は是非ともモダンにお気軽にお問い合わせください。また、どのような機能が実装できるかなど技術的なご質問も大歓迎しております。

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