コンテンツ
ネットショップ開設の基礎知識
ほとんどの方がインターネットを介して商品を購入した経験があると思います。
中にはネットショップで大儲けしてやろうと考える方もいるのではないでしょうか。
ネットショップは実店舗よりも簡単に始めることができます。ただし誰でも簡単に成功できるわけではありません。
こんなときは「店を出すのは勝手!買うのも勝手!買わないのも勝手!」ということを忘れてはいけません。
ネットショップは実店舗よりも簡単に始められますが、店を出したからといって、誰でも簡単に成功するわけではありません。
実店舗でも同じですが、どこに店を出すか?どんな商品を扱うか?が重要です。
買う側にとって商品そのものや、価格が魅力的でなければ開店しても誰も注文しません。
ネットショップを始めたけど、注文が一切ないこともよくあります。
絶対に成功する方法はありません。楽な道はない!少しでも成功に近づくためには、まず基本をしっかり理解しておくことが大事です。
どこにお店(ネットショップ)を出す?(出店方法の種類)
出店方法には大きく分けてモール型、ASP型、スクラッチ型の3つがあります。それぞれにメリットとデメリットがあり、費用や時間、提供するサービスによってどれが最適かを判断する必要があります。
※スクラッチ型は開発費用が数百万円~数千万円、開発時間が半年~数年とさまざまですが、それは大企業向けなので、ここでは省略します。
ネットショップ出店方法の種類
モール型のネットショップ
- メリット: 大手のオンラインモールに出店する形式で、集客力が高い。顧客の信頼感がある。
- デメリット: 登録料や手数料が高いことがある。顧客データの所有権が制限されることがある。
ASP型 (Application Service Provider)のネットショップ
- メリット: 専門的なサービスやシステムを提供してくれるASPに加盟し、比較的手軽にネットショップを開設できる。運営や管理が簡単で、技術的なサポートが受けられる。
- デメリット: 利用料や手数料が発生することがある。他の店との競争が激化しやすい。
モール型、ASP型ともに一からサイトを構築していく必要がなく、セキュリティ面での安心感もあります。
大まかな出店費用は月々のサービス利用料の他、売れた際のシステム使用料や決済手数料などがかかります。
最適な出店形態を選ぶためには、予算、時間、技術的な能力、そして目指すビジネス成長の方向性を考慮することが大切です。
モール型 | ASP型(有料) | ASP型(無料) | |
概要 | ネットショップの複合サイト内に出店する | ネットショップの開設・運営に必要なシステムを利用して出店する | ネットショップの開設・運営に必要なシステムを利用して出店する |
代表的なサービス | 楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング | BASE、Square、Shopify 一部のサービスでは初期費用や月額利用料が無料のプランも用意されています。 | STORES、MakeShop |
サービス利用料 (決済手数料別) | 〜約10万円/月 | 〜約1万円/月 | – |
独自ドメイン | 利用不可 | 利用可 | 一部で利用可 |
ページデザイン | 自由度が低い | 自由度が高い | 自由度が高い |
特徴 | 集客:モールへのアクセスは多いが、モール内で他社との競合が発生する 価格競争:モール内での価格競争が起きやすい | 集客:モール型に比べ劣るので集客努力が必要 価格競争:起きにくいが、集客のためのセールやキャンペーン、ポイントなどが必要 | 集客:モール型に比べ劣るので集客努力が必要 価格競争:起きにくいが、集客のためのセールやキャンペーン、ポイントなどが必要 |
モール型のネットショップの特徴
以下は2024年7月現在の情報です。詳しくは各サービスに直接お問い合わせください。
楽天市場の場合
初期費用に加え、月々の出店料の他に売上金額に応じてシステム利用料、楽天ペイ利用料などが必要となります。月々の費用はプランによって変わります。
初期費用:60,000円
月額費用:25,000円
販売手数料:月間売上高の3.5~7.0%
費用は高めですが、「楽天ポイント」などのプロモーション活動も多く行われているので集客力は抜群。その反面、モール内で他店との競合が多いため、広告やポイントなどモール内での集客活動が必須。
Amazonの場合
「FBA(フルフィルメント by Amazon)」というサービスを利用すれば、ピッキングや梱包、発送、カスタマーサービスをすべてAmazonに任せられます。また、初期費用は不要で月額費用も小口出品なら110円/商品で販売できます。
初期費用: 0円
小口出品(毎月49点まで):110円/商品
販売手数料:5〜15%が中心(商品カテゴリーによる)※最低販売手数料:0〜33円
お店を開くというよりはAmazonの店舗内に商品を展示するといったイメージです。Amazon内で他の出品者と競合するため価格競争が起きやすくなります。
Yahoo!ショッピングの場合
Yahoo! JAPANの各サービスに加え、ソフトバンクやLINE、PayPayなどのグループ企業による相乗効果を活かした集客力が魅力です。
初期費用: 0円
月額費用: 0円
決済手数料:3%〜4.48%(税別)または165〜330円/件(税込)
初期費用、月額費用が不要。初期費用や運用コストを抑えて出店したい方にお勧めできるモールです。
ASP型のネットショップの特徴
さまざまなサービスが提供されていて、費用を抑えることができますが、集客力についてはモール型に比べると低い傾向があります。そのため集客のための工夫が必要となります。
また、カード決済などを利用する場合は、決済手数料がモール型に比べ高めに設定されていることがあります。
ASP型の利点と課題について、具体的なポイントを挙げてみます。
ASP型の利点
多様なサービス提供
ASP型では、ネットショップの開設から運営、管理まで幅広いサービスが提供されています。これにより、技術的な面やインフラの構築に関する負担を軽減することができます。
コスト削減
ASP型は専門的なサービスの提供が受けられるので、自前でシステムを開発・維持する必要がなくなります。初期投資やランニングコストを抑えることができます。
管理の簡便化
ASPプロバイダーがシステムの運用管理やセキュリティ対策を行ってくれるため、運営の手間を減らすことができます。技術的な知識が不足している場合でも安心です。
ASP型の課題
集客の課題
多くのASP型サービスでは、独自の集客力はあまり期待できません。特に大手モール型に比べると、自社ブランドの認知度や集客力が低い場合があります。そのため、独自の集客施策やマーケティング戦略が必要です。
決済手数料の高さ
ASP型では、カード決済などのプロセッシングサービスを提供する場合、決済手数料が高めに設定されることがあります。これはASPプロバイダーが手数料を上乗せしている場合や、安全性や信頼性を確保するためのコストがかかるためです。
以上のポイントを考慮すると、ASP型の選択はコスト削減や技術面の充実には有利ですが、集客力や決済手数料の面での課題もあることを理解しておく必要があります。
代表的なASP型サービス
ネットショップでどんな商品を扱う?
どこに店を出すか?に加え、どんな商品を扱うかが重要です。
実店舗の開店費用、月々の家賃などに比べネットショップの場合は費用を低く抑えることはできますが、送料や決済手数料がかかります。
近所のスーパーやコンビニで売られている商品をネットショップに並べても売れません。送料を払ってネットショップで注文するよりもコンビニで買ったほうがいいに決まっています。
ではネットショップで売れる商品を見つけて、仕入れるにはどうすればいいでしょうか?
一般的にネットショップで扱って商売として成り立つ商品の仕入れ値は販売価格の45%~50%とされています。
効果的な仕入れ戦略も重要です。以下に、ネットショップで売れる商品を仕入れるための一般的なアプローチをいくつか紹介します。
展示会やイベントでの仕入れ
幕張メッセなどで行われる展示会やイベント会場では、多くの卸売業者が出展しており、新しい商品を見つけるチャンスがあります。直接商品を見て、品質や価格、取引条件を確認することができます。
卸売業者や仕入れ先との直接取引
インターネットで卸売業者を探し、商品の仕入れ先となる企業と直接交渉することが一般的です。価格や最低発注数量(ロット)、納期などを詳しく確認しましょう。
海外からの仕入れ
海外からの商品仕入れも一つの選択肢ですが、送料や関税などの追加コスト、納期に注意が必要です。取引条件や品質保証をしっかり確認し、国際的な取引のルールを守ることが大切です。
中古品やオークション市場からの仕入れ
中古品を扱う場合は、古物商許可などの法的な手続きが必要になることがあります。また、オークション市場で仕入れることも考えられますが、品質や供給の安定性についても注意が必要です。
商品を仕入れる際には、競合商品の価格や市場の需要を考慮し、適正な仕入れ値を設定することも重要です。また、決済手数料や配送料などのコストも計算に入れて、魅力的な価格設定を行うことが、顧客の購買意欲を高めるポイントです。特典や割引キャンペーンなども上手に活用して、商品の魅力をアピールすることが成功のカギとなります。
メモ
売れるかどうかわからないのに、取引先の指定するロットで仕入れると在庫リスクが大きくなります。
そんなときは商品の仕入れ前に、サンプルを数点購入して試供品として扱うことができます。これにより実際に商品の品質やデザインを確認し、売れるかどうかの評価を行うことができます。
また、扱う商品の写真があるか問い合わせて、あれば提供してもらいましょう。撮影費用を抑えることができます。
決済方法はどうする?
ネットショップの決済方法はさまざまです。
銀行振り込み(後払い、先払い)、コンビニ決済、クレジットカード、電子マネー、代金引換などが一般的です。ASP型の出店の場合は、あらかじめ決済方法が固定されている場合があります。
ターゲットとする顧客の使いやすい決済方法を多数用意しておきましょう。
配送方法はどうする?
配送事業者によっては、集荷サービスや割引料金のある契約を交わすこともできます。
「~円以上の買い物で送料無料」などの打ち出しも購買のきっかけとして有効です。
ページを作る
ここからは実際にネットショップを作成していきます。ASP型を使って独自ドメインで運営する場合はドメインを取得しておきます。
トップページ、商品ページ、問い合わせページなど必要なページを作成します。
モール型やASP型ではフォーマットやテンプレートが用意されているので必要な要素を選択し、ロゴや商品写真、イメージ写真を登録し、テキストを入力することでネットショップのカタチを完成させることができます。しかし、ここから重要になるのは、その商品は魅力的か?カートに入れたくなるか?です。
商品自体が魅力的で価格設定が適切でも、サイトや商品ページでそれが伝わらなければ購買に繋がりません。
写真やイラスト、コピーライティング(説明文)で魅力を演出していくことが重要です。
商品の魅力を最大限に引き出し、顧客の心に響くサイトを作成することが、成果を上げるための鍵となります。
ネットショップを作成する際に、商品の魅力を最大限に引き出すために必要な(大切な)ことを、具体的なステップを挙げて説明します。
魅力的な演出
商品自体が魅力的であることはもちろんですが、それがサイト訪問者に伝わるように演出することが重要です。以下のポイントに注意しましょう。
- 写真: 商品の高品質な写真を使用し、複数の角度からの写真を用いて使い方のイメージを示します。
- イラスト: 商品の特長や使い方をわかりやすく伝えるイラストやグラフィックを活用します。
- コピーライティング: 説明文は商品の特長や利点を魅力的に表現し、購買意欲を引き出します。SEO対策も考慮してキーワードを適切に組み込みます。
ユーザビリティの確保
- ページのレイアウトやナビゲーションがわかりやすく、購入プロセスがスムーズに進むように設計します。カートに追加しやすいボタン配置や、必要な情報が簡単に見つかるように工夫します。
テストと改善
- サイトの完成後は、実際にテスト運用を行い、ユーザーのフィードバックを収集します。そのフィードバックを基に改善を重ねていきます。
ネットショップの成功は、見た目だけでなく、使いやすさや購買意欲を引き出す能力にもかかっています。商品の魅力を最大限に引き出し、顧客の心に響くサイトを作成することが大切です。
その他
許可や手続き
扱う商品によっては特定の許可や届出が必要な場合があります。例えば食品の場合は保健所への営業届出が必要です。適切な許可や手続きを行い、法的な規制を守ることが重要です。
特定商取引法に基づく表記
ネットショップに記載すべき事項が定められています。
特定商取引法では、代金の支払時期・方法、商品の引き渡し時期、販売者の氏名・電話番号など、記載すべき事項を定めています。
ここに紹介した内容はネットショップを開設する際の基礎知識の一部です。
出店方法が決まって、いい商品が見つかって、素晴らしいネットショップ(商品ページ)ができても、数ある競合店の中から自分の店(サイト)に来てもらうためのSEO対策やプロモーションなどが必要です。その上で商品を気に入ってもらってカートに入れてもらうのは、さらに大変です。
売れた後は梱包発送や在庫管理から収支管理まで、やらなければいけないことは山積みです。作業のマニュアル化も必要になるかもしれません。
質の高い制作会社をお探しの際は、モダンにご相談ください。
モダンは創業より40年以上にわたって、取扱説明書の制作、各種販促物のデザインや印刷などのサービスをお客様に提供してまいりました。顧客の心に響くサイト制作を行っています。写真の加工やイラスト作成、ライティングなど、どうぞご遠慮なくモダンまでお声がけください。
〒113-0034 東京都文京区湯島3丁目12番11号03-5812-1050受付 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]
お気軽にご相談ください