グラフィックデザインは、私たちの日常生活と深く関わり、私たちの注意を引きつける重要な役割を果たしています。
商品やサービスの価値を伝えるための強力なコミュニケーションの方法でもあります。お店の看板やポスター、チラシなどを通して、グラフィックデザインは私たちの生活の中にしっかりと溶け込んでいます。
またポスターやDM、新聞・雑誌広告、チラシ、カタログ、書籍、雑誌、パッケージなど紙媒体が中心であったグラフィックデザインの領域は、Webやスマホ、ゲームの画面などデジタル媒体へと広がっています。

アナログ時代のグラフィックデザインの現場

グラフィックデザインの業界といえば華やかな世界をイメージするかもしれません。実際はどうなんでしょう?
大抵の仕事がキラキラした華やかな側面だけでは済まされないように、グラフィックデザインの世界も例外ではありません。
近年では変わってきましたが、アナログ時代のデザイン現場では締め切りを守ることが最優先となるため、深夜残業や徹夜、休日を出勤を余儀なくされる大変ハードな仕事でした。
朝出社すると、床に寝袋を敷いて寝ている人、寝込んでいる⼈がいるような環境がたくさんありました。

そんなデザイン現場も印刷技術やPCの普及、通信環境の変化に伴い、変わってきました。ここでは、その移り変わりをデザイナーの仕事を中心に紹介します。

活版から写植、版下へ

古くは、活字を並べて作る活版印刷が主流でしたが、印刷技術が進歩するにつれて、グラフィックデザインの現場は写植と版下の時代になります。
デザイナーは写植の手配や版下制作などに時間を割かれ、他にもカンプ(ラフデザイン)の作成、文字校正、色指定、色校正などなど…やることはいっぱい!
本来すべきクリエイティブな部分にかける時間がなくなってしまっていました。 アナログ時代のデザインの現場には、写植を版下の台紙に貼るペーパーセメントや線を引くロットリングペン、トレーシングペーパーなどが散乱しており、デザイナーはカッターやピンセット、定規、ロットリングペンを⼿に夜遅くまで作業に追われていました。

ちょっと寄り道

ロットリングで線を引いているとペン先にゴミが付いて段々と線が汚くなります。そんなときは定規を押さえている左手の人差し指の甲でペン先をキレイに拭いたりします。
ある日、仕事帰りに終電近くの電車の吊り革につかまっていたとき、隣でつかまっている人の左人差し指にも同じようにロットリングのインクが付いているのを発見しました。その人もこっちに気付いて、顔を見合わせて苦笑い。
「あはは!お互い大変ですね」

アナログからデジタルへ、そしてCMSへ!変化するグラフィックデザイン

長く続いた写植、版下のアナログの時代はPCの普及とともにデジタルへと変わります。
DTP(デスクトップパブリッシング)と呼ばれるデジタル化で、作業内容は大幅に変わり、作業時間も短縮されました。
Adobe PageMakerやQuarkXPressといったDTPソフト、Adobe Illustrator、Adobe Photoshopなどの画像編集ソフトが登場し、デザインの現場は大きく様変わりしました。

グラフィックデザインの現場を変えた通信の高速化

DTP初期の頃の通信環境はパソコン通信でピ~ヒョロロ~~とモデムを使ってデータを送るのが一般的で、大容量データを送ることはできませんでした。
今ではインターネットを使ってPDFでのやり取りが当たり前になり、印刷の現場ではPDFから直接印刷するオンデマンド印刷も主流になりつつあります。

デジタル時代のグラフィックデザインの現場

PCの処理能力が向上し、優れたDTPソフトがリリースされ、さらに高速通信環境が整ったことで、グラフィックデザインの現場はグンと便利になりました。
DTPではモニターを見ながらその場で仕上がりが確認でき、フォントや色の変更も簡単に行えます。
それに伴い以前のデザイナー、イラストレーター、写植オペレーター、カメラマン、画像処理……と細分化されていた作業の境界が曖昧になりました。
ソフトのスキルさえあればデザイナー自身で大抵のことができます。もちろんイラスト制作や写真の加工は、その道のプロの方も活躍していますが、デザイナー自身がイラスト制作や写真を加工することもできます。

写真撮影もフィルムカメラからデジタルカメラに代わり、Photoshopなどの画像編集ソフトで簡単に加工や調整ができます。
加工や調整を前提にある程度のクオリティで撮影し、後で加工して仕上げることも多く、撮影時間を短縮することで撮影スタジオ代を抑えることもできます。

DTPデザインのフロー

さらに紙媒体だけでなくWebデザインではCMS(Contents Management System)を使ったWEBベースでのデザイン制作が行われるようになりました。
CMSはシステムエンジニアとデザイナーがタッグを組んで運用のし易さ、⾒た目の美しさ、⾒易さなどを考えて設計します。
運用ではHTMLやCSSなどのプログラミング言語の知識がなくても、管理画面から文章や画像などを登録することで、簡単にWebサイトを作成することができます。
しっかり設計されたCMSは、誰でも簡単に⾒栄えのするWebサイトをアウトプットします。
またPDF書き出しの機能を持ったCMSでは、PDFに書き出すことで紙媒体への対応も可能となっています。

デザイン本来の仕事を見失わないこと

環境が変わっても、今も昔も変わらず重要なのは「デザイン本来の仕事を見失わないこと」。本来の仕事とは「クライアントのメッセージを効果的に伝える」ことです。
IllustratorやPhotoshop、InDesign、CMSはあくまでも道具です。ソフトのスキルがあってもそれだけでデザインができる訳ではありません。
それを使って何をするかが重要!
鉛筆が持てるからといって誰もが芥川賞や直木賞がとれる訳ではありません。
便利な道具を駆使して、高品質なデザインを発信しましょう。
このように、グラフィックデザインの現場は技術の進歩とともに大きく変わってきました。今後も新たな技術やツールが登場するでしょうが、本質的なクリエイティブな作業の重要性は変わりません。

グラフィックデザインの喜び

頭を絞ってデザインを考えているとき、デザイナーは喜びを感じます。

⾃分がデザインしたポスターを街で⾒かけたり、デザインしたパッケージを近所のスーパーの棚に発⾒したときは嬉しいものです。思わず近くの人に「これは私の作品です」と⾔いたくなります。

しかしなんといっても、グラフィックデザインの最大の喜びは「クライアントの笑顔︕」、「お客様に喜んでいただけること︕」です。

質の高い制作会社をお探しの際は、モダンにご相談ください。

モダンは創業より40年以上にわたって、取扱説明書の制作や印刷などのサービスをお客さまに提供してまいりました。
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