業務に一貫性を持たせたり、新人社員に業務内容を伝えたりする際に必要な業務マニュアル。業務マニュアルを新たに作成したい場合や、作業効率を向上させるよう業務マニュアルを改善するためには、どのような手順を踏めばよいのかお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
今回は、事務向け業務マニュアルの作り方、運用のコツをご紹介します。

事務向け業務マニュアルの作り方のコツ

業務マニュアルとは、業務を効率よく進めるための手順や判断基準を記載した手順書のことです。業務効率の向上や新人社員の教育、属人化の防止などを目的に作られます。業務マニュアルがあることで業務を効率化でき、生産性の向上や利益率アップにもつながるため、作成したい書類といえるでしょう。
そんな業務マニュアルを事務向けに作成する際の手順は、以下の通りです。

  1. マニュアルの役割を知る
  2. 全体像を把握する
  3. マニュアルの骨子を作成する
  4. 業務の大枠を時系列に沿って書き出す
  5. 必要なものを作業単位まで落とし込む
  6. 各作業の解説を付け加える
  7. 業務の達成基準を明確に記載する
  8. イレギュラー対応を盛り込む

それぞれの手順とコツを詳しく解説します。

業務マニュアルの役割と目的

業務マニュアルを実際に作成する前に、マニュアルの役割について知り、作成する目的を明確化する必要があります。
役割や目的を正しく把握できていなければ、作ったマニュアルを従業員が読んだときに、必要な項目に漏れが発生してしまうかもしれません。
一般的に、業務マニュアルには以下の役割があります。

  • 人的工数の削減
  • 品質の均一化
  • 属人化の防止

業務マニュアルを作成することで人的工数を削減できます。マニュアルを事前に準備しておくことで新人は業務内容をマニュアルから把握でき、指導や教育にかかる管理コストを大幅に削減できます。
品質を均一化する役割もあります。社員それぞれが自分の好きな手順で仕事をすると品質に差が出ますが、マニュアルに手順を記載しておけば作業内容が統一され、漏れや品質の差を防げるためです。また、マニュアルがあれば自身がどこまでの業務をこなせるかが一目でわかり、従業員それぞれの目標を明確にできるため、マネジメント層の負担軽減にもつながります。
業務マニュアルには、仕事内容の属人化を防止する役割もあります。マニュアルがあれば業務内容を社員全員で共有できます。
万が一担当者が休んだり退職したりしても、マニュアルがあれば他の人が担当者の代わりに業務に対応できます。

全体像の把握とスケジュールの決定

全体像を把握します。全体像の把握とは、スケジュールの決定、作業工程や注意点の洗い出し、利用シーンの明確化のことです。
まずは、業務マニュアルの利用シーンを明確化しましょう。新入社員研修用や経験を積んだ従業員用など対象が異なればマニュアルの内容が異なります。利用シーンを明確にすることでそのシーンに合ったマニュアルを作成できます。
利用シーンが決まったら、次にスケジュールを決めます。スケジュールを決める理由は、明確な時間制限がなければマニュアル作成を後回しにしてしまい、完成までに時間がかかってしまうほか、途中で頓挫する可能性が生じるためです。
「いつまでに」「どのくらいの時間をかけて」など、完成までの期限を明確化しておきましょう。次に作業工程や注意点の洗い出しを行います。作業工程や注意点の洗い出しとは、例えば「手順をまとめる上で漏れている工程はないか」「不明瞭な業務プロセスはないか」などです。

マニュアルの骨子を作成する手順

マニュアルの骨子を作成します。
闇雲に作成するとまとまりのないマニュアルができてしまいます。
また、ある程度の枠組みがあれば、マニュアル作成をスムーズに進められ、時間を短縮できることも理由の1つです。
骨子の作成では、業務の概要・目的・内容などを決めます。業務の概要と目的を明確にしておくことで、利用シーンに適した内容のマニュアルを作成できます。逆に、概要と目的が不明確ですと、作成している間に内容が本筋とズレやすくなるため、必ず業務の概要と目的を明確化しましょう。
また、業務内容を大まかに書き出しておくことで、今後の作業に役立ちます。

業務の大枠を時系列に沿って書き出す

マニュアルの骨子が完成したら、業務の大枠を時系列に沿って書き出します。業務内容を時系列に沿って書き出すことで、「いつ」「どのタイミングで」行う作業なのかを明確にできる他、効率の良い順番に並べ替えられます。
なお、業務内容を時系列に沿って書き出す際は、5W1Hを意識しましょう。「5W1H」とは、Who・When・Where・What・Why・Howをまとめた略語です。ビジネスシーンにおける基本的な考え方として広く知られていますが、業務マニュアルの作成時には内容をわかりやすくまとめるために役立ちます。

作業単位までの必要なものの落とし込み

作業ごとに必要なものを列挙します。事務業務では必要な物が多数あるためです。
事務マニュアルでは、作業ごとに「何が必要か」「どのように使うのか」を明確にしなければなりません。 事務業務と一言で言ってもその業務形態ごとに必要なものに違いがあります。
多くの場合に共通して必要な物は、帳簿・伝票・請求書・見積書・販売管理システム・連絡名簿などです。 これら以外にも使用するものがあれば、使うシーンや使い方、収納場所を記載します。
特に、新人社員の育成を目的にマニュアルを作成する場合、使い方や収納場所を詳細に記載してください。

各作業の解説と注意点の付け加え方

各作業の解説を付け加えます。
業務マニュアルは、作業工程を順番に並べただけでは機能しません。効率良く作業を進めるために、作業ごとの解説や注意点を明記しましょう。解説や注意点を記載することで、トラブルやミスの防止につながります。
ただし、解説や注意点を細かく書きすぎることは逆効果です。解説や注意点が多すぎるとマニュアルが複雑化し、理解しにくいマニュアルができてしまうためです。
また、どの項目が最も重要なのかを明記するなど工夫し不要な情報は省略してシンプルでわかりやすいマニュアルを作成しましょう。

業務の達成基準の重要性

業務の達成基準を明確に記載します。作業の進捗具合に対しての認識は個人によってさまざまです。 本人は作業を効率良く進めていると思っていても、第三者目線では作業が遅れ、取引先や顧客に迷惑をかけてしまうことがあります。 このような事態を防ぐためには、マニュアルによって業務を統一して効率化を図ることはもちろん、業務の達成基準を明確にしておくことが重要です。
業務の達成基準を明確化していれば、自分の作業が遅れていないかを判断しやすく、作業の遅れを防ぐことができます。各作業にかかる時間の目安や合否のラインを明確化し、マニュアルに記載しましょう。

イレギュラー対応とマニュアル運用のポイント

最後に、イレギュラー対応を盛り込みます。イレギュラー対応について記載されていなければ、マニュアルの記載項目にないトラブルが生じた際に、どのように対処すればよいかわからなくなるためです。
業務は、必ずしもマニュアル通りに進められるとは限りません。思わぬトラブルが生じるなど、イレギュラーが起きた際も全員が同じように対応できるように、イレギュラー対応を盛り込みましょう。
なお、イレギュラーへの対処方法は複数パターン記載しておくことが望ましいです。業務にトラブルはつきものです。万が一の際にスムーズに対応できる体制を整えましょう。

その他留意点

マニュアルを作成する時に注意すること、およびマニュアル運用に欠かせないコツを紹介します。

  • 見やすい図表やレイアウトにする
  • 運用後も定期的にメンテナンスする

それぞれのコツについて詳しく解説します

見やすい図表やレイアウト

マニュアルを作成しても、文章が難解だったり、検索性が低くて知りたいことがすぐにわからないものであったりすると、従業員は次第にマニュアルを読むことを敬遠し、結果としてマニュアルに従わずに作業を行うようになるリスクが生じます。このような事態を防ぐためにも、見やすいよう図表を入れ、レイアウトを工夫しましょう。
見やすいレイアウトとは、例えばフォントや文字サイズの統一、作業を時系列ごとに記載する、文章が冗長にならないように箇条書きを使うなどが有効です。

運用後は定期メンテナンスを

作成したマニュアルは、運用後の定期的なメンテナンスが大切です。 マニュアルの内容に不備があると、作業効率の低下やミスにつながるためです。
運用後も作業環境の変化に対応した定期的なメンテナンスを行うとともに、想定外の事態が発生した際にはそれを反映したアップデートを施すなど、最良のマニュアルを提供しましょう。

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