他社に先駆けた機動的な対応が求められる開発・設計業務。ご自身の担当業務に専念するために、専門以外の業務に割く時間はできれば最小限に留めておきたいところです。
なかでも取扱説明書を始めとするマニュアル類の作成に関わる諸々の対応は、面倒なためついつい後回しにしてしまう、ということも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「マニュアル作成を外部委託したいが不安」という方々に向けて、マニュアル作成代行のメリット・デメリットを解説するとともに、作成代行を依頼するまでの一般的なフローについても説明します。

マニュアル作成代行のデメリット

まずはデメリットについて押さえておきましょう。とは言っても、実は皆様が不安に感じ、「デメリット」と捉えているポイントのほとんどは、専門業者であればほとんど心配には及ばないものと言えます。

マニュアルの品質が低くなる?

マニュアルは実際にハードウェアやソフトウェアを操作しながら作成するもの、というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。

そうした方法では、詳細な仕様を把握しないまま作成することとなり、結果として不正確な記述や機能の記載漏れなどが多数含まれる品質の低いマニュアルになってしまうことでしょう。せっかく作成代行を依頼したのに、「これなら自分で作成すれば良かった」と後悔することになってしまっては本末転倒です。

確かに過去にはそのような事態が実際に発生していた時期もありました。しかし、技術文書の記述を体系的にまとめた「テクニカルライティング」という学術分野が確立された現在では、そのような心配はほとんどありません。

かなりのコストがかかる?

マニュアルの作成を外部委託すれば、当然のことながらコストは社内で作成する場合と比較してそれなりに増加します。ただし、その分、開発・設計部門や、現在マニュアル作成を内製化している場合にはマニュアル作成部門への業務負担は軽減されます。外部委託を検討する際には、発注コスト単独ではなく、こうした効果も加味する必要があるでしょう。

また、マニュアル作成以外でのコスト削減も見逃せません。実際に、あるメーカーでは、コールセンターへの問い合わせ減少により外部委託費が圧縮され、トータルとしてコストの削減を実現しました。

煩雑な打ち合わせが必要?

社内の開発・設計体制を知らない外部スタッフと情報共有するなんて、想像しただけでもかなり骨の折れる作業となりそうです。「すべての資料が揃うまでは作成を開始できません」「本日時点での最新情報をご提供ください」などの依頼が頻発すれば本業を圧迫してしまうでしょう。

ご存じないかもしれませんが、マニュアルの執筆(=テクニカルライティング)を担当する「テクニカルライター」は、一定以上の技術的な素地を備えているため、資料の取捨選択や未入手資料の内容推定なども可能です。出せるタイミングで、出せる範囲の資料をご提供いただければ作成を進めることができます。

また、社内にマニュアル作成部門がある場合には、実際の作成業務を外部委託することで情報の入手・共有に専念することができ、効率的なマニュアル作成を実現できます。

マニュアル作成代行のメリット

メリットについてもまとめてみましょう。

高品質なマニュアルを作成できる

一番のメリットは、専門家による高品質なマニュアルを作成できることです。

テクニカルライティングの「一文一意」「誤解を生じ得ない記述」などの原則に基づき、必要な情報のみを簡潔に掲載するため、ページ数を削減しながら「読みやすい」マニュアルを実現できます。

また、Microsoft Word等のワープロソフトウェアではなく、一般の書籍や雑誌の制作に使用されるAdobe InDesignやAdobe Illustratorといったいわゆる「DTPソフトウェア」を使用して制作することもできるため、よりグラフィカルで「見やすい」マニュアルを実現できます。

短期間で作成できる

マニュアルの作成は、製品仕様書を基にして開発と同時にスタートします。また、製品仕様書が存在しない場合には、実機のアップデートごとに実機取材を行いながら作成を進めます。

どちらの場合でも、基本的には製品と同時の完成を目指します。特にWeb媒体で公開する場合やHTML形式などで本体に組み込む必要がある場合には、ほぼタイムラグなしに最新のマニュアルを提供することが可能です。

第三者の専門的な意見を聞くことができる

「テクニカルライターは最初のユーザー」はよく耳にする言葉です。開発・設計に携わらない第三者として製品仕様書や実機に触れることができるため、必要に応じて「この操作の後には確認のダイアログを表示させることが望ましい」など、製品自体の改善を提案することもできます。

特にこれまでにない製品を世に送り出す場合などは、そうした提案をフィードバックすることにより製品の品質向上につなげることも可能です。

マニュアル作成代行の相場

マニュアル作成代行にかかる経費は、製品の複雑さや対象ユーザーなどにより大きく異なります。また、判型(A5サイズ、B5サイズ等)、色数(白黒、カラー)、イラスト点数などによっても大きく変動します。とは言え、まったく見当もつかないという状況では見積りを依頼することにも躊躇してしまうでしょう。そういう場合には、おおざっぱではありますが「ごく一般的な家庭用製品のマニュアルでは1ページの単価が1万円を超えるケースは少ない」を目安としてみてはいかがでしょうか。もちろん、この目安よりも大幅に安いケースも、1万円を超えるケースもあります。また、流用可能なマニュアルや、イラスト作成用のCADデータなどを提供いただくことで制作コストを低減するも可能です。

より正確な金額をお知りになりたい場合には、まずは既存のマニュアルや製品仕様書をお示しいただき、お気軽に弊社までお見積りをご依頼ください。

マニュアル作成代行の流れ

最後に、実際に作成代行を依頼した場合の完成までの流れについて簡単にご紹介します。

ヒアリング

まずは製品の概要をお聞きし、対象読者(ペルソナ)の特定を行います。対象読者の技術リテラシー等により、記載内容や表現方法を変更します。

プランニング

マニュアルには「ストーリー」があることをご存知でしょうか。箱を開け、組み立て、使ってみる、のような説明の流れを、製品に応じて組み立てます。

制作

テクニカルライティングに加え、イラスト、レイアウトなど、「読みやすさ」と「分かりやすさ」とを両立するマニュアルを制作します。

校正

制作中、通常3回程度の校正(チェック)を行っていただきます。仕様変更などもこのタイミングで反映します。

納品

納品は印刷物、PDF、HTMLなどの形態で行います。また、次モデルのマニュアル作成のコストを抑えるため、制作データも併せて納品いたします。

質の高い制作会社をお探しの際は、モダンにご相談ください。

モダンは創業より40年以上にわたって、取扱説明書の制作や印刷などのサービスをお客様に提供してまいりました。今回はマニュアル作成代行を利用する際のメリット/デメリットについて解説するとともに、外部委託する場合の相場や委託後のワークフローについて解説しました。今回の記事でマニュアルの作成代行、外部委託にご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、どうぞご遠慮なくモダンまでお声がけください。