総務の仕事とはどのようなものかをご紹介するとともに、それらをマニュアル化する際のポイントについて解説します。
この記事は、会社で総務を担当している方や、総務の仕事・業務をマニュアル化したいと考えている方、就活で総務の仕事について知りたいという方を対象にしています。

総務の役割と業務内容

総務は、営業や製造のような直接部門ではなく、会社を支える「間接部門」であり、直接部門が円滑に業務を遂行できるようにさまざまなサポートをする役割を担っています。

対外的には、会社の顔として代表的な役割を持ち、官公庁や報道・金融機関・地域社会に対する窓口としても機能します。

業務が細分化されていない中小企業やベンチャーでは、人事や広報といった仕事も総務が引き受けている場合があり、さまざまな業務を請け負う総合的な部署だといえるでしょう。

総務の仕事に役立つ資格とは

総務の仕事をするために、とくに資格は必要ありませんが、持っていた方が仕事の役に立つ資格はあります。

総務担当者が資格を持っていることで、担当業務の専門性が高まり、他部門からの相談を受けるなど部門の評価が上がる可能性もあります。

おすすめの資格としては、衛生管理者、社会保険労務士、中小企業診断士、ビジネス・キャリア検定などがあります。

業務が多岐にわたるため、スキルにおいても事務処理やスケジュール管理の能力が期待されます。

総務の仕事の魅力とやりがい

総務の仕事は、会社全体に関わり多くの人を支援できるとともに、業界や地域社会など社外とのつながりが持てます。

職務が多岐にわたり、幅広い経験が得られます。

事務・管理・折衝など基本的なビジネススキルを習得できるほか、人事や経理その他の、より専門的な管理業務へのキャリアアップも可能です。

取り組みたい仕事に出会える可能性が高く、積極的に関われば関わるほど、やりがいやモチベーションがアップするでしょう。

総務業務の詳細一覧

総務が担当する仕事の内容はさまざまですが、考えやすいよう大きく5つの仕事に分けました。管理業務が主体となりますが、折衝・運営などの社交的な仕事もあります。

それぞれについて、具体的に解説します。

①備品や施設の管理

備品や施設など「モノ」の管理は総務の代表的な仕事です。

オフィスの備品である文具・名刺や、コピー機の消耗品などは、日々の業務に使用されるため、常に残量のチェックや補充が必要です。パソコン・作業デスクなどの什器類も数量を記録して管理します。

社内インフラ、照明・電話・IT機器などの使用状況を管理し、修理や交換を進めます。

ビルと設備・エレベーターなどのメンテナンス、清掃を業者に手配して定期的に実施することも総務の仕事です。

②人材管理(人事・労務・福利厚生)

「ヒト」の管理には人事・労務・福利厚生などがあり、これらの仕事がセクションに分かれず、総務の担当となる場合があります。

給与計算・勤怠管理・社会保険の手続き・年末調整などは労務に関わる仕事です。

福利厚生は人事もしくは総務の仕事、社内規定管理・安全衛生管理、防災管理は総務の仕事として位置付けられます。

人事の仕事としては、人材採用・社外研修・従業員の評価・設計および運営が挙げられ、人事部門がない場合は総務が担当します。

③契約の管理

経営資源のうちの「ヒト・モノ・カネ」のなかで、会社の「カネ」の管理は基本的に総務の仕事ではなく経理部門が担いますが、契約にまつわる管理は総務の仕事でもあります。

会社間の取引・賃貸オフィス・OA等のリース機器の契約と書類の管理、会議資料や株主名簿などを含めた文書管理など。

法務部門がない場合の代替業務として、基本契約・守秘義務契約・業務委託契約など専門性の高い仕事を担当する場合もあります。

④対外窓口

会社の代表電話番号は総務につながることが一般的で、会社への問い合わせは総務が受けることが多いといえます。電話以外にも、メールや郵便物への対応も総務が担当する業務の1つです。

来客対応やアポイントメントの管理は、内外の人をつなぐ仕事で、関連部門とのコミュニケーションも必要です。

広報部門がない場合は、プレスリリースの発行やウェブサイトの企画・運営、広告や地域への情報発信などの業務を担当することになり、あらゆる対外活動の窓口として機能します。

⑤行事の運営

社内行事の運営も総務の大きな仕事で、決まった時期に集中して業務にあたります。

入社式、株主総会、忘年・新年会、社員旅行などの行事の企画・運営は、入念な事前準備や各部門とのコミュニケーションが成功をもたらします。

予算や年間スケジュールの立案によって作成された書類を、適正に管理し関連部門と共有しながら行動するという、総務の主体性が大切です。

成果が大きく目に見えるもので、成功したときにはこの上ない喜びがあるでしょう。

総務業務マニュアルの作成手順とポイント

総務の仕事は多岐にわたり、かつ会社にとって重要な情報を扱います。

そのため、それぞれの業務フローを関係者や他部門と共有し、ノウハウが特定のグループや個人に偏ることなく会社のものとして蓄積・活用されることが望ましいといえます。

総務の仕事を社内で共有するためにも、業務マニュアルを作成して関係者間でしっかりと確認しましょう。

マニュアルを作成するメリット

業務マニュアルを作成すると次のようなメリットが生まれます。

  • 誰でも最初から正しい方法が採れて業務を速く進められる|時間短縮
  • 試行錯誤によって時間や費用を無駄にすることがない|コスト削減
  • 人による作業品質の違いを少なくできる|品質確保・標準化
  • マニュアルを基準にして作業や人材を評価できる|管理の適正化

マニュアルを作成するポイント

効果的な業務マニュアルを作成するためには、次のポイントを押さえておくことが重要です。

  • 5W1Hで担当者と仕事の流れを明確にする
  • 業務の目的・位置付けを把握する
  • 図や写真を用いて直感的な理解を促す
  • 判断基準を明確にする
  • 内容の重み付け(強調や順位付け)を行う
  • 不具合発生時の対応を盛り込む

総務のマニュアルを作成する手順

総務の仕事に使用するマニュアルを作成するための手順について解説します。

目的としてはマニュアルに従って運用されることが重要で、実務に即し、利用しやすくフィードバック可能なマニュアルであるべきでしょう。

①マニュアルを適用する範囲を決める

何のためのマニュアルかという目的を押さえて、どの業務にどのマニュアルを使えばよいかが、すぐに分かるようにします。

目的が効率よく達成できるように、マニュアルの適用範囲を決めます。

前述のポイントにある5W1Hを意識すると、業務の範囲と担当者がやるべきことを明確にできるため、マニュアルの適用範囲の明確化が可能です。

②マニュアル作成のスケジュールを立てる

まずは、マニュアルがいつまでに必要か確認し運用開始日を明確にします。

マニュアルの運用開始日が決まれば、マニュアル作成に必要な費用や工数を算出し、運用開始から遡っていつから作成に着手すればよいかが決められます。

直接部門ではなくても、納期厳守の考え方は成果を上げるために必要です。スケジュールがはっきりしていれば、必要な時期に必要なことを把握できるでしょう。

③対象となる業務・作業の手順を洗い出す

マニュアル化の対象となる業務や作業を細分化して具体的に把握します。

作業の順序や利用手段、優先順位を明確にすることで、業務フローの可視化が可能です。

普段の仕事のなかで当たり前のように実施されている作業が、手順を洗い出すことで無駄な作業だと分かる場合もあります。

そこを改善するきっかけにもなるため、マニュアル化や標準化の作業は業務効率を上げる効果があるのです。

④マニュアルを作成・運用しアップデートする

作成したマニュアルに基づいて運用を行います。

実務でマニュアルを使用してみると、手順の洗い出しでは気づかなかった問題点を見つけられる場合があるでしょう。

運用に課題があるのか、マニュアルの書き方に問題があるのか見えてきます。使えるマニュアルにするためにフィードバックは欠かさず行い、問題点を改善・マニュアルのアップデートを重ねることで完成度が上がります。

マニュアル作成業務は、モダンにご相談ください。

マニュアル作成には時間や手間がかかり、ノウハウが溜まるまで時間が必要です。

自社内でマニュアル作りの時間が確保できない、作成できるノウハウを持った人材がいないという状態でお困りの際は、プロに頼ることが迅速で確実な解決手段となるでしょう。

モダンは創業より40年以上にわたって、取扱説明書の制作や印刷などのサービスをお客様に提供してまいりました。業務マニュアルの作成にお悩みの方は、マニュアル作成経験が豊富なモダンに是非ご相談ください。

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