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ユーザーの行動をイメージした取扱説明書(製品マニュアル)
製品マニュアルを作成する際に、まず最初に考慮すべきことは、「製品を購入したユーザーの行動をイメージする」ことです。たとえば、デジタル一眼レフカメラのユーザーが製品を手に入れた場合、どのような手順を踏むでしょうか。
- 箱を開けて緩衝材を取り除く
- バッテリーを充電してセットする
- メモリーをセットする
- シャッターを押して1枚写真を撮ってみる
- 動画も撮ってみる
- 少し凝ってタイムラプス撮影をやってみる
すべてのユーザーが同じ行動をするわけではありませんが、大多数のユーザーが同様の手順を踏むことを想定し、マニュアル全体のストーリーを考えることが重要です。
ユーザーズマニュアルとリファレンスマニュアル
ユーザーズマニュアルは、ユーザーの行動を想定し、使う順序に沿った記載を行います。可能な限り簡潔な言葉で記述され、混乱を防ぐために「難しい機能についてはあえて説明を省略する」場合もあります。
一方、リファレンスマニュアルは、すべての情報を網羅し、体系的な記載が行われます。このマニュアルは辞書のように、「必要な部分だけを読む」という使い方がされます。そのため、「索引」の役割が非常に重要です。
どちらの方向性を持たせるか(あるいはどちらも制作するか)は、マニュアルを制作する前に決める必要があります。
取扱説明書(製品マニュアル)の目次構成
以下は一般的な製品マニュアル(ユーザーズマニュアル)の目次構成になります。
1. 表紙
商品名、型番、ロゴなど
2. 安全や法令のお知らせ
製造物責任法(PL法)など、安全や法令に関わる内容
3. 目次
マニュアルのどこに何が書かれているかを簡潔に示す
4. 準備編
製品を使い始める前に必要な準備
5. 基本編
製品の使用に最低限必要こと、基本的な使い方の手順
6. 応用編
より便利に使うための手順
7. FAQ(困ったときは)
目的の機能が使えない、といった困ったときの対処方法
8. 索引
用語から検索、目的別検索など
9. メーカー情報
保証やサポートに関わる内容(保証書に記載するケースもある)
10. 裏表紙
取扱説明書(製品マニュアル)のページ構成
1つのトピックにつき1ページもしくは見開き2ページで完結するのが理想です。
タイトル
ユーザーズマニュアル
ユーザーの行動に即したタイトルとする 「例:動画を高品質で撮影するには」
リファレンスマニュアル
機能名をそのままシンプルにタイトルとする 「例:画質設定」
リード文
その項で説明している内容の概略を記載
操作手順文
操作を手順化(手順数は増えてもよいので、できるだけシンプルな動作にするのがポイント)して説明
注意文・補足説明文
操作手順の中で注意するポイントや補足説明を記載
取扱説明書(製品マニュアル)で使われるテクニカルイラストの表現
マニュアルに掲載される製品のイラストを称して「テクニカルイラスト」といいます。主にはillustratorなどで作成しますが、描き方にはちょっとしたコツがあります。
- イラストが示す場所が全体のどこにあるかを明確にする。
- 特に重要な部分は、線を太くしたり、色をつけたりして目立たせる。
- ユーザーの目線で描く。
- 説明に不要な部分は線を省略する。
テクニカルイラストの線幅(線の太さ)について
同じイラストでも、線幅を変えることによってイメージが変わります。線幅の組み合わせの差を大きくすると柔らかいイメージ、差を小さくすると固いイメージになる傾向があります。対象の製品にあわせて使い分けていきます。
- ジャンプ率が高いものは、新聞や雑誌など賑やかな印象を与える。
- ジャンプ率が低いものは、マニュアルや小説など落ち着いた印象を与える
取扱説明書(製品マニュアル)の文字サイズ
マニュアルの見出しや本文の文字サイズを変更することで、読み手に与える印象が大きく変わります。
ジャンプ率とは、本文の文字サイズに対しての見出しやタイトルの文字サイズの比率を指します。見出しが大きければジャンプ率が高く、小さければ低くなります。
以下は一般的なピクセルサイズとジャンプ率の関係です:
- 本文: 18×18ピクセル
- 中見出し: 30×30ピクセル (ジャンプ率 1.7倍)
- 大見出し: 40×40ピクセル (ジャンプ率 2.2倍)
高いジャンプ率の見出しは、賑やかで躍動的な印象を与えるのに対し、低いジャンプ率の見出しは、落ち着きを求める場合に適しています。これにより、読み手に適切な情報を効果的に伝えることができます。
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