
取扱説明書とPL(製造物責任法)は、消費者の安全と企業の信頼を守るために不可欠です。今回は、PL法における取扱説明書の重要性を、PL対策の具体的なポイントとともに詳しく解説します。
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PL法(製造物責任法)とは
PL法(製造物責任法)は、消費者を製品の欠陥から保護するための法律です。1995年に施行されたこの法律は、製品の欠陥によって消費者が被る損害に対して、製造業者や販売業者の責任を定めています。
PL法における「製品の欠陥」の種類
PL法では、製品の欠陥を以下の3つのタイプに分類しています。
- 設計上の欠陥: 製品の設計段階から安全性に問題がある場合
- 製造上の欠陥: 製造過程で生じた安全性の問題
- 指示・警告上の欠陥: 取扱説明書や製品ラベルに、使用上の注意や危険性に関する情報が適切に記載されていない場合
例えば、取扱説明書に対象年齢の記載がないことで、誤った使用による事故が発生した場合、「指示・警告上の欠陥」としてPL法の対象となる可能性があります。

PL法の対象製品と責任者
PL法の対象は、製造・加工された動産(食品、自動車、電化製品など)に限定されます。未加工の農産物やソフトウェアは対象外です。
責任者には、製造業者、輸入業者、表示製造業者、実質的製造業者が含まれ、特に輸入業者は国内の製造業者と同等の責任を負います。
PL法の時効と損害賠償請求
PL法では、損害が発生してから3年以内に請求しなければ、損害賠償請求権が消滅します。また、2020年の改正により、重大な身体・生命への侵害に対しては、最大20年まで時効が延長されました。
PL対策における取扱説明書の役割
取扱説明書は、消費者が製品を安全に使用するために不可欠です。「指示・警告上の欠陥」を防ぎ、製品の安全性を確保するために、取扱説明書には次のポイントを網羅する必要があります。
1. 正しい使い方の明示
取扱説明書には、製品の使用方法を分かりやすく記載します。絵や図を使い、専門用語を避け、誰にでも理解しやすい表現を心がけます。
2. 絶対にしてはいけないことの記載
誤った使い方や危険な行為を防ぐために、注意・警告・危険の表記を目立たせます。例えば、赤色や大きなフォント、注意マークを活用することが効果的です。
3. 重要な安全事項の周知
火器製品や電化製品では、「火の取り扱いには注意しましょう」など、常識的な内容でもあえて強調して記載します。これにより、消費者が安全に製品を使用できる環境を整えます。
4. 取扱説明書の随時更新
製品のリニューアルや法改正に伴い、取扱説明書も最新情報を反映させる必要があります。特にPL法の改正内容は見逃さないようにしましょう。
5. PL法の遵守
PL法に基づいた正確な記載が求められます。例えば、新たなリスクが判明した場合は、迅速に取扱説明書を改訂し、消費者に周知する必要があります。

取扱説明書の不備によるリスク
不完全な取扱説明書は、「指示・警告上の欠陥」として訴訟のリスクを高めます。実際に、取扱説明書の不備により消費者が被害を受け、企業が多額の賠償金を支払うケースも存在します。
専門業者による取扱説明書作成のメリット

PL対策を強化するためには、専門業者に取扱説明書の作成を依頼することが有効です。専門業者は、消費者目線でのチェック、法的な観点からのリスク軽減、デザイン性と分かりやすさを両立した取扱説明書を提供します。
例えば、製造業者が見落としがちな安全性の問題を、第三者の視点から指摘することで、製品の安全性をさらに高めることができます。また、プロのサポートにより、取扱説明書の更新や改訂もスムーズに進められます。
参考:(消費者庁)製造物責任法の概要Q&Aを加工して作成
参考:(消費者庁)消費者庁 製造物責任(PL)法の逐条解説 第5条を加工して作成
マニュアル作成業務は、モダンにご相談ください
PL法とは「製造物の欠陥」から消費者を守るための法律です。「製造物の欠陥」は3種類に分類され、その1つである「指示・警告上の欠陥」に、取扱説明書の不備が含まれます。
そのことが原因で責任を問われ、損害賠償を請求される可能性は否定できません。
取扱説明書を作成の際は、リスクヘッジを図るためにも、どうぞご遠慮なくモダンまでお声がけください。
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